竿縁 (さおぶち・サオブチ)とは
正方形の網代を天井に敷き詰め、その境目に格子状に竿縁を入れています。網代の色に合わせ黒色の竿縁を使用しています。
竿縁とは、天井が複数の天井仕上げ材で構成される場合に、継ぎ目を隠し納まり(オサマリ)を良くする目的で天井仕上げ材同士のぶつかる部分に当てがう棒状の部材です。
部材と部材を見切るということで「見切り材(みきりざい/ミキリザイ)」と呼ばれたり、天井面を押えるということで「押え(おさえ/オサエ)」と呼ばれることもあります。
また天井材に継ぎ目がない場合でも、意匠的な目的で天井面に使用されます。
竿縁は細長い部材であり、木材を削って形作った物や丸太や竹が使用されます。
竿縁の仕上面 (さおぶちのしあげめん)
竿縁は平らな面(天井面)に設置します。天井に取り付けた後は天井に接している部分は見えなくなります。
そのため木材を削り出すなどして作る竿縁は、見えなくなる部分には仕上げを施しておりません。(見える部分は見える用に仕上げてございます。)
竿縁が細長い四角い形状の場合、天井に取り付けたあとに見えるのは長手4面のうち3面となります。そのため仕上げている面は3面のみとなります。
竹を丸のまま使用する場合には仕上がっている面/仕上がっていない面はありませんので、竹が真っ直ぐに見える向きで取り付けるとよいと思います。
竿縁の取り付け例
竿縁を入れる目的は網代と網代の境目を隠すだけではありません。照明の付け根にある短手方向の竿縁2本は廻縁まで達しておらず、網代はその部分では分割されていない事が分かります。 また長手方向には曲線を描く竿縁を使っています。竿縁を効果的に配置することで平らな天井面に見た目の変化が生まれ印象的な天井面を作り出すことができます。
画像の竿縁には晒竹(さらしだけ・サラシダケ)というクリーム色っぽい竹を使用しています。網代と相性のいい竹ですが、茶室となればなおさらです。