網代とは
網代(あじろ・アジロ)の事を知らずにこのサイトを訪れた方むけに、網代とは何か簡単に記したページです。
網代ってなに? ~読み方、意味、由来~
天井に葭(ヨシ)で編まれた網代を使用した住宅
網代 読み方
「網代」の読み方は「あじろ・アジロ」です。
「あみだい」「あみしろ」と読まれてしまうこともあるのですが「あじろ」です。
また漢字で書く際に「綱代」と書いてしまいそうですが、「綱代(つなしろ?)」ではなく「網代(あじろ)」です。
網代 意味
網代とは、木や竹、草などの植物を、細く薄く加工した物を材料として縦横交互に編んだ物の総称で、
敷物のような平面的な物や、籠や笠のような立体的な物がそれにあたります。
網代は、使用する素材や編み方を変えることにより、様々な種類と模様を作り出すことができます。
網代 由来
「網」は「あみ」、「代」は「代用する」などの言葉にあるように「かわり」を意味し、 「網代」の名は、魚を捕る為に川に立てた、竹や木を組んだ網状の仕掛けに由来します。
網代 歴史
植物を編むという意味において網代の歴史は古く、縄文時代以降の遺跡からは、かご類の一部が発見されています。
また縄文土器の底部には、土器を制作する際に敷物として使っていた網代の編み目跡を見ることができます。
まだ機械織りの布や、ビニール製のシートなど無い時代、ある程度の面積をもつ物を自然界から得ることは難しく、
身近な素材を編み広げて作る、自在な面積をもつ網代は、人類の生活に欠かせないものであったと考えられます。
網代の例-竹で編まれた天ぷら盛皿
(有)網代商会の 網代(あじろ/アジロ)
杉で編んだ網代、編み模様は市松
(有)網代商会で製造販売している網代は、木を薄く加工したものを材料として、手作業で平面に編んだもので、建材として住宅や商業施設の内装に使用することを想定して作られています。
内装の中でも天井材として使われることが多く、その場合網代天井(あじろてんじょう・アジロテンジョウ)とも呼ばれます。
次のページに、網代天井とはを掲載しています。
・・・百人一首に詠まれた網代・・・
みなさんご存知の「小倉百人一首」に網代が出てくるのをご存知でしょうか。
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 権中納言定頼
明け方に辺りが明るくなるに従い、宇治川の川面に立ちこめていた霧が途切れとぎれになって、その合間から川瀬に設けた網代木が現れてくる ・・・というような意味で、ここでいう網代とは鮎を採る為に川に打った杭に竹や木を編んだものを指しています(網代木は杭の部分)。 この歌が詠まれた平安時代、それ以前から、「網代」という呼び名と植物を編むという技法が、現代の私達に伝わり繋がっていることに、改めて気付かされます。