竹簀子 (たけすのこ・タケスノコ)
竹簀子(たけすのこ)
竹に銅線(どうせん-いわゆる針金のこと)を通して作った簀子です。茶室の水屋(茶室の台所にあたる部分)で使用します。 その他の使用用途は、通気性を確保するため例えば押入に敷いたり、濡れ縁や、建築内装材として天井や壁面の装飾に使用します。
竹簀子の用途-茶室の水屋用
水屋の底部に流しがあり簀子が敷かれています
竹簀子は茶室の水屋(茶室の台所にあたる部分)の、下の部分(流し)に敷いて使用します。水壺や茶碗などの道具を簀子の上に置き、水で濡らしたり洗ったりします。
水は簀子の竹と竹の隙間を通って下の流しに落ち、排水される仕組みになっています。
長い期間使用していると古くなり汚れてくるので、気になったら新しいものに取り替えるようにします。
竹簀子の種類
色々なサイズの晒竹簀子。サイズは上から幅約700mm、幅約1000mm、幅約1600mm。
簀子の種類 - 銅線通し、裏桟付
竹に銅線(はりがね)を通した「銅線通し(どうせんどおし)」が多く使われますが、銅線を使わずに桟木に竹を打ち付けた「裏桟付(うらざんつき)」 のものも使用されます。
お客様から指定が無い場合には「銅線通し」でお見積り・作成しております。
竹の種類 - 晒竹、女竹、黒竹
水屋の簀子は晒竹(さらしだけ)という種類の竹を使って作ります。元々は青い(緑)竹を乾燥させた物でクリーム色~黄色の色味をしています。
以前は女竹(めだけ)を使う事も多かったのですが手に入りにくくなり、現在は晒竹がを使う事がほとんどです。
稀に黒竹(くろちく)という黒い竹を指定される事もあります。
特別にこだわりがなければ、晒竹で問題ありません。
水屋以外で使用する簀子の場合には、目的に応じて様々な種類の竹が使われます。
通気性を持たせる事が目的で簀子を使用する場合には、竹の種類にはこだわらずに晒竹が使われることが多く、
室内の装飾など意匠の目的で使用される場合はイメージに応じて竹の色や模様が楽しめる黒竹や染煤竹(そめすすだけ)などがよく使われます。
竹の防虫 - 防虫あり/なし
竹は防虫処理をしたものと、していないものがあります。
水屋の簀子は取り外しがきき、古くなったら取り換える消耗品です。 虫がつく事はよくある事ではないので、水屋の簀子を防虫で作ることはめったにありません。
水屋以外で使用する簀子の場合は用途に応じて防虫かそうでないかを選ぶ必要があります。
室内に使用し、取り外しがきかない場合(内装の柱として使用するなど建物の一部となる使い方をする場合等)は必ず防虫品を使用してください。
取り外せる使い方(置くだけの簀子など)の場合は、もし虫がついても取り替える事ができるので防虫品でなくても構わないと思います。
屋外使用の場合は、虫が出ると困る場合には防虫品を使用します。
もちろん水屋に使う場合でも、虫がつくと困る場合は防虫品を選ぶようにします。
水屋の竹簀子の寸法
寸法 - ひとつひとつ異なります
竹簀子を木口から見たところ
竹簀子の寸法は一つひとつ異なります。
茶室ごとに水屋、流しの大きさが異なるので竹簀子もそれぞれに合った大きさで作る必要があります。
そのため既製品から選ぶのではなく、指定された寸法で作ることになります。
寸法の決め方
水屋の簀子は流し(水皿、銅板落としなどと呼ぶ)の中にはめ込んで使用するので、注文する大きさを間違えると流しの中に簀子が納まりません。
簀子をはめる部分(流し、水皿、銅板落としの事)に入るようにその内寸より少々小さめにする必要があります。
簀子を注文する時は、簀子をはめる部分(流し、水皿、銅板落としの事)の内側の寸法を測り、「開口部の内寸は巾○○ミリ×奥行○○ミリです。そこに入るように作ってください。」 と伝えるといいと思います。注文する側が簀子の寸法を決めて伝えても良いのですが、開口部の内寸より小さく言うのを忘れてしまったり、 小さく計算する時に間違えてしまうおそれがあるからです。
どちらにしても注文する際は制作する側に伝える寸法が、開口部の内寸なのか(そこに入る大きさで少々小さめに作って欲しいのか)、 簀子の寸法なのか(ぴったりに作って欲しいのか)をきちんと伝える必要があります。
既に簀子を使っていて新しい物に取り換える場合には、現在使用中の簀子を送りそれと同じ寸法のものを作ってもらうのも一つの方法です。 この方法だと竹の太さも自分で考える必要がありません。
寸法の誤差 - 多少の誤差があります
簀子の巾は竹の長さを切って調整するので希望の寸法通りにほぼきっちりとなりますが、奥行に関しては竹を並べていくので竹の太さの関係で多少前後します。
「ここに入る大きさで」と伝えれば制作する側が適した大きさで作ります。
竹の太さ
水屋の簀子に使われる竹の太さは5分(15ミリ前後)から6分(18ミリ前後)が最も多く、4分(12ミリ前後)も使用されます。 (それ以外の太さを使用することもあります。)
水屋以外で使用する簀子の場合は使用用途のイメージに応じて、様々な太さのものが使用されます。